Page 1
飛行場の安全と住民の生活の安心のために
飛行場問題を考える
市民の会事務局
042−485−6389
松下 亘男
2008 年
6月号
飛行場拡大計画再浮上!
調布
飛行場
それにしても、とんでもないことである。
調布飛行場を、物理的にも機能的にも拡
大させようとする動きが、はっきりと現れて
きた。猪瀬発言と読売報道である。
猪瀬発言とは、まずは、4月1日に、調
布飛行場を訪れた際に、記者に行った発
言である。「ビジネス使用すれば、新潟や
4月 26 日に、西部地域センターで
市長のふれあいトーキングが開かれ
ました。
当会代表の村田さんが、猪瀬副知
事の発言について、「次々に約束した
条件を変更しようとしている。さら
に拡張されるのは耐えられない」と
質問しました。
長友市長は、「調布市ではすぐに東
京都港湾局に問い合わせたが、『副知
事の発言は個人的見解と思われる。
事前の打ち合わせなど一切なく、都
の方針ではない』との回答だった」
ということでした。
なお、市長は、管制官の撤退につ
いては、「代替措置で万全を期してい
る」と、また、計器飛行の問題は、
「個人としては、検討してみる必要
はあると思う。別に、やるというこ
とではないが」と答弁しました。
管制官の代替措置といいますが、
それは、警察官の交通整理とみどり
のおばさんの旗振りくらい違いま
す。法的権限が、全く違いますので、
緊急時やルール無視パイロットの取
締りなどには不安があります。
市長の答弁から、さらに不安が増
えました。
5月7日に、港湾局と話し合いを持
った。当会側は、世話人6名、港湾局
側は石田課長など3氏。立会人には小
竹都議。
猪瀬副知事の暴言は、地元市民の神
経を逆なでし、27 項目の飛行場受け入
れ条件や、協定・覚書に対する明白な
違反、担当知事をさしおいての放言で
ある。発言を撤回してほしいと、要請
した。
計器飛行導入については、現在、
進展していないとの話であった。1
便あたりの平均利用者も、年平均6
人と少ない。調布市民に多大な犠牲
を払わせてまで、存続、拡大の必要
性を感じない空港だ。この点を考慮
し対処してほしい等、地元の具体的
状況を示し説明、次回に回答をと要
求した。港湾局側は、はかばかしい
返答はなく、責任回避に終始した。
韓国にも行ける。今どき、ジェットがダメな
どはない。滑走路を 1200mに延ばせば、
56 人乗りの………」などと述べている。さ
らに、4月9日には、自身のブログで「例え
ば、ボンバルディア Q300 という機体は 56
人乗り。この大きさの飛行機を導入して、
新潟や松本、福島、あるいは名古屋や大
阪に飛ばすのはどうだろう。」などと記して
いる。
一方、読売新聞は、5月 13 日に、「世界
的に利用が広がるビジネスジェットの日本
での普及を促すため、国土交通省は、発
着手続きの緩和や、首都圏の空港に専用
ターミナルを設ける検討を始めた。2008
年度中に具体化に向けた調査を始める。
……… 新たな空港用地を確保するのは
困難なため、米軍横田基地(東京都)の共
用化や、調布飛行場(同)、桶川飛行場
(埼玉県)の利用などを視野に入れてい
る。」などと報道している。(写真は裏面)
5年前に、東京都港湾局内で、一部の職
員によって、飛行場拡大計画が画策され
たことがあった。幸い、都議会などでも問
題となり、そういうことはやらないことにな
ったはずであった。しかし、ここにきて、そ
れとほぼ同じ内容のものを、蒸し返そうと
いう動きが出てきたのである。誠にもって
腹立たしい限りである。
飛行場の管理運営に不可欠なものは、
単に、騒音、安全対策だけでなく、政治的
な安心感の提供も含まれているのだとい
うことを、関係者はしっかりと認識すべき
である。
【前回の要約】
調布飛行場に計器飛行を導入しようという計画がある。しかし、都営コミューター空
港になる際に、「計器飛行はやらない」というのが、都と地元3市の重要な約束事であ
り、覚書のトップ項目であった。なぜ重要事項なのか。
計器飛行とは
そもそも、計器飛行とは、何であろうか。航空機の飛行方式は、大きく2つに分ける
と、有視界飛行方式と計器飛行方式となる。
有視界飛行方式というのは、離陸から着陸まで、すべてパイロットの責任で行うやり
方で、車で言えば、自由に走れるマイカーに近いところがある。パイロットの目が頼り
であるから、天候が良いことが条件であり、日本では、視界が5km以上あることなど
が条件として定められている。
一方、計器飛行方式とは、離陸から着陸まで管制官の指示に従って行うやり方で、
車でいえば、いちいち会社に報告しながら走るタクシーに近いのかもしれない。離着陸
は、計器を使用して行うことができ、天候が良くなくても、飛ぶことができる。
しかし、現実には、かなりアバウトに運用されているようで、計器飛行で離陸した後
で、それを打ち切って、自由に飛行するということも、どうやら「あり」のようである。
計器飛行の何が問題なのか
さて、調布で問題となるのは、離着陸がどうなっていくのかということであるが、計器
飛行と一口に言っても、その計器の種類によって、千差万別である。現在、調布で狙
われていると言われているのが、MSAS(「エムサス」と読む人が多い)というもので、
人工衛星を使って、機体の位置情報を伝えるというのが基本となっている。車で言う
と、カーナビに通じるものがあると言われている。
ただ、計器飛行がいくら千差万別とは言っても、その目的は、「悪天候でも飛ばせる
ようにすること」ということに尽きる。これから、計器飛行の問題点を、いろいろな観点
から述べていくが、その根幹は、突き詰めて言えば「悪天候でも飛ぶようになることか
ら、騒音が増え、危険性が増す」ということである。そして、それは、後述するように、
「少々」というレベルに留まるとは、到底考えられないのである。
第 102 号

Page 2
表面にも記しました通り、4月1日
に調布飛行場を視察に訪れた、猪瀬副
知事は、調布飛行場がコミューター空
港となる際に、東京都と地元3市が取
り交わした協定、覚書を無視するよう
な飛行場機能拡大発言をし、それが4
月2日の新聞に掲載されました。都知
事や副知事は都を代表する立場にある
はずです。空港の歴史的事実をどう考
えているのか。この無責任な発言に調
布飛行場を考える市民の会として、厳
しく抗議をしました。
まずは、抗議文を作成し、副知事
発言のほぼ1週間後には、知事室に
送付しました。さらに、5月7日に
は、都庁の港湾局へ出向き、表面に
記しました通り、石田課長等3名に
厳しく抗議をし、善処を求めておき
ました。
さらに、5月 13 日の読売報道の
3日後には、調布市の政策企画課と
会合をもち、飛行場拡大計画の危険
性について、警鐘を鳴らしておきま
した。
当会は、今後とも、われわれ市民
の暮らしを守っていくために、飛行
場拡大計画の類いとは、敢然と闘っ
てまいりますので、引き続きご協力
のほどを宜しくお願いいたします。
何か怪しげな動きがございました
ら、事務局(042-485-6389)まで御
一報いただければ幸いです。機敏に
対応してまいります。
猪瀬副知事への抗議文
この度猪瀬直樹副知事が4月1日に調布飛行場を視察し、その感想が新
聞数紙に発表されました。
内容は「使われていないのはもったいない。活用すれば新潟、佐渡、韓
国へも行けるようになる」(東京)。「もっと有効に活用し、羽田の国際化
と首都圏の航空事業を考えないといけない」(朝日)。「空港が迷惑施設だ
ったころとは時代が変わった」(日経)というものでした。
この調布飛行場が都営化するまでには、いろいろな経過をたどりました。
まず、住宅密集地の中心にあることや、近隣に小、中、高、大学、病院、
介護施設があり、昭和 55 年に近くの中学校に飛行機が墜落して乗員が死傷
したこともあって、飛行場には適さないということで、国会でも問題にな
り別な土地を探したこともありました。それが、新島、神津島との飛行が
なされるようになったのは、同じ都民の緊急の用に供するという制限され
た目的のためでした。調布市は都との間に27項目の受け入れ条件を決め
協定として明文化してあります。これは約束事項ですから一方的に破棄す
ることは許されません。
また、住民に約束したはずの条件がゆるめられて、認められていない計
器飛行が導入されて、夜間にも、悪天候でも飛ぶのではないかと大変な危
機感をもっています。この時期に約束を反故にするような副知事の発言を
われわれ住民は許すわけにはいきません。
猪瀬氏は副知事として、都と自治体との協定内容を尊重する義務がある
と考え、その発言に抗議します。
問題の、5月 13 日
付の読売新聞朝刊 10
面の記事。調布の名前
が、ビジネスジェット
機の専用ターミナル
の候補地として挙が
っている。